Last modified 1998/08/07

フィンランド語の使役構文について ―被使役者をあらわす接格名詞句の分析を中心に―

注意: 以下のリソースは、HTML用ブラウザで の制約を考慮し、ウムラウト等の特殊文字を代替表示してあります。 ご了承下さい。また、フィンランド語の例文(一行目) とグロス(二行目)の字体が同じなので、少々見にくいかと 思いますが、これは2つの行のインデントを合わせるため <PRE>環境を使っていることによります。ご容赦下さい。 その他、詳細は、psファイルもし くはPDF版のフルペーパーを参照下さい。

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千葉 庄寿 (しょうじゅ)
1998年6月22日(月) 言語学演習
< 演習発表レジュメの訂正個所を修正したバージョン >

草稿の段階で、 松村ゼミのゼミ生をはじめ、多くの方から助言を頂いた。 特に松村一登先生には、多くの貴重なアドヴァイスを頂くとともに、 用例資料をご提供頂いた。記して感謝致します。


1.はじめに

フィンランド語には、形態論的に派生された動詞(使役動詞)を 用いる使役表現がある。

フィンランド語の使役構文に現れる使役動詞は、 派生元の動詞に -ttA- (-tta-/-tta"- (注1))ないし-UttA- (-utta-/ -ytta") という 接尾辞をつけて派生される。使役動詞の派生のプロセスは非常に規則的で、 派生元の動詞と使役動詞は、意味的にも形態的にも、容易に 関係づけることができる。

-ttA--UttA-の 2種の接尾辞異形態 の違いは接尾辞のつく語幹の形態論的な特性に基づくもので、 接尾辞の違いによる意味的な差異はなく、また、 動詞の活用のタイプにより、上記の2種の語尾のうちのどちらが つくかがはっきり決まっている (Kyto"ma"ki 1989:61)。 以下に、動詞のペアの例を挙げる(注2)。動詞につく 使役の派生形態素をcausのグロスで示して いる:


(1) a. marssi-a              vs.  marssi-tta-a
行進する-1inf 行進する-caus-1inf 「行進する」(自動詞) 「行進させる」(使役動詞) b. ka"vel-la" vs. ka"vel-ytta"-a" 歩く-1inf 歩く-caus-1inf 「歩く」(自動詞) 「歩かせる」(使役動詞) c. paina-a vs. paina-tta-a 刷る-1inf 刷る-caus-1inf 「刷る」(他動詞) 「刷らせる」(使役動詞) d. rakenta-a vs. rakenn-utta-a 建てる-1inf 建てる-caus-1inf 「建てる」(他動詞) 「建てさせる」(使役動詞)

使役動詞を用いる使役表現を、本発表では使役構文と呼ぶ。 フィンランド語の使役構文では、 被使役者のとる文法関係が、使役動詞の派生元の動詞の自他によって 異なる。以下にあげる例文のペアのうち、 b. が使役構文、a. は使役構文に意味的に対応する非使役文 である:


(2) a.  Koko  seura     nauro-i.

        全    仲間.nom  笑う-imp.3sg



        「みんなは笑った」



    b.  Ha"n       naura-tt-i      koko  seura-n.

        彼.nom  笑う-caus-imp.3sg  全    仲間-skk



        「彼はみんなを笑わせた」 

          (Volodin et.al. 1969:228; cited in Comrie 1975:21)



(3) a.  Muurari-t    rakenta-vat  talo-n.

        大工-nom.pl  建てる-3pl   家-akk



        「大工が家を建てる」



    b.  Mina"        rakenn-uta-n     talo-n  muurare-i-lla.

        私.nom       建てる-caus-1sg  家-akk  大工-pl-ade



        「私は大工に家を建てさせる」

          (Volodin et.al. 1969:231; cited in Comrie 1975:21─22)

対応する非使役文が自動詞文の場合、被使役者を表す名詞句は 使役動詞の直接目的語としてあらわれる。この場合、 被使役者をあらわす目的語は、動詞の必須の項であり、通常削除できない。

一方、対応する非使役文が他動詞文の場合、被使役者は斜格の一つである 接格(接尾辞-llA (-lla /-lla")) をとってあらわれる。 この場合、対応する非使役文が自動詞文の場合と異なり、 被使役者をあらわす接格名詞句は、次の例にみるように、 表層構造にあらわれなくてもよい。


(3) c.  Mina"   rakenn-uta-n     talo-n    φ.

        私.nom  建てる-caus-1sg  家-akk  (被使役者なし)



        「私は家を建てさせる」 (cf. 例文(3b))

(3c) は、(3b) から接格名詞句を除いたものであるが、 接格なしでも文法的である。また、(3c)は、「私」が自分で家を建てた、 という意味には決してならない。つまり、被使役者をあらわす接格名詞句の出没では 使役構文のもつ使役の意味は失われない。つまり、 対応する非使役文が他動詞文の使役構文の場合、被使役者が表層に現れて いるか否かに関わらず、被使役者の存在は常に含意される (cf. Kyto"ma"ki 1978:142)。

本発表では、上記の(3b,c)のような、他動詞文から派生した 使役構文(注3)をとり あげ、この構文に現れる、 被使役者を表す接格名詞句のふるまいを分析する。

他動詞派生の使役構文に関するこれまでの分析では、接格名詞句が あらわれる(3b)のような構文構造を基本とし、接格名詞句が現れない構造は、 この基本構造から接格名詞句が削除されてできたもの、と考える見方が一般的である (Hakulinen & Karlsson 1979:243─4; Pylkka"nen 1997)。

本発表では、コーパスに現れた使役構文の用例分析を通じ、 実際には被使役者をあらわす接格名詞句は表層にあらわれ ない方が圧倒的に多く、被使役者が出る例はむしろ稀であることを示し、 先行研究の主張とは逆に、 被使役者をあらわす接格名詞句が現れない構造が、構文としてより基本的 であることを論じる (第3節)。

被使役者をあらわす接格名詞句があらわれている用例の 文脈を詳しく調査し、むしろ特別な必要がある場合に 接格で被使役者があらわれることを確かめ (第4節)、 他動詞派生の使役構文が、被使役者を述べない、という 構文的な機能をもっていることを主張する (第5節)。


2.先行研究

この章では、フィンランド語の被使役者をあらわす接格名詞句のふるまいを 先行研究の立場がどのように説明するかに注目しつつ、 使役構文に関する先行研究において 分析の前提となっている使役構文の構文特徴をまとめる。

先行研究では、一般言語学、フィンランド語学の立場を問わず、 少なくとも2つの構文特徴が認められている。 一つは、構文の意味的特徴で、使役構文では二つの異なる出来事が 複合的に表わされる、ということ、もう一つは、 統語的に、使役構文には、使役者という意味役割を持った 項が主語として新たに加わることである。先行研究の 想定する使役構文の統語的派生プロセスの代表例 として、Comrie (1975) の分析を紹介する。

2.1.2つの異なる出来事の関与

第一に、使役構文では、「使役」と「実際の行為」という2つの異なる出来事が 一つの構文内で複合的に表現されるということである (Comrie 1975:2; Kyto"ma"ki 1978:141; Hakulinen & Karlsson 1979:243─244; cf. Palmer 1994:217─218)。 (3b) を例にとると、「私」が大工に家を建てることを命じることと、 大工が家を建てる、という行為は、別の出来事であり、 命令と実際の行為は、前者が後者に先行しているかぎり、 時間的、空間的に隔たっていてもかまわない。

フィンランド語学においても、同様の主張がみられる。 Kyto"ma"ki (1978:139─141)は、 フィンランド語の使役構文の主要な認定基準として、

の2つを挙げているが、この指摘も、 使役と実際の行為という2つの出来事を区別する 立場をあらわしているといえる。

使役構文を2つの出来事の複合とみる考えは、確かに、 フィンランド語の他動詞派生の使役構文で、被使役者が表層に あらわれなくとも、被使役者の存在が常に含意されることを、 意味的には説明するように思われる。使役はその基本構造として、 2つの異なる出来事を潜在的に含むからである。

Comrie (1975) は、さらに、 使役構文とそれに意味的に対応する非使役文が、 何らかの派生関係をもつ、と考え、使役構文の基本構造 (1b, 2b) のなかには、 対応する使役を含まない文 (1a, 2a) が埋め込まれている、と 仮定する (1975:2)。この考えを図示すると、以下のようになる。


  (4)    [ 使役者 使役 [ 被使役者 動作 ] ]

迂言的使役、形態論的使役、といった使役要素のあらわれ方の別を問わず、 Comrie は、この構造を使役構文の基本構造とみる。その結果、使役構文は、 この構造から何らかの統語的な操作を経て派生されることになる。 同様の主張はフィンランド語研究者のなかにも みられる(e.g. Hakulinen & Karlsson (1979:243─244))。

2.2.使役者の介入と被使役者の降格

もう一つ、使役構文の特徴として重要なのは、 使役を含まない文と使役構文とを比較すると、使役構文では、 動詞の要求する項に使役者という新たな項が主語として加わる ことである。 Comrie (1975) は、この点に注目し、派生元の動詞の行為者がとる文法関係と、 動作主(被使役者)の主語からの降格、という概念で説明する(1975:5─8)。

Comrie によれば、使役者という新しい項が加わることにより、 被使役者は「格階層」(``Case Hierarchy'', Comrie 1975:27, fn*)と呼ばれる 以下のような文法関係の階層の頂点にある主語の位置を追われ、 階層中の、より下の層に降格する:


  (5)     主語 > 直接目的語 ( > 間接目的語 ) > 斜格名詞句

では、被使役者が使役構文内でどの文法役割を とるのかは、具体的にどう決定されるのであろうか。 被使役者の降格のメカニズムとして Comrie が 主張するのは、``Paradigm Case'' と呼ばれるものである。 Comrie によれば、言語が使役構文をもつ場合、使役構文の 被使役者を表す項は、各階層の中で、動詞のとる項としてすでに 埋められていない、最も高い位置にある文法関係を とってあらわれる傾向がある(Comrie idem. p.4;8─9)。

Paradigm Case の概念は、フィンランド語の使役構文で、 派生元の動詞の自他の違いにより 被使役者のとりうる文法関係が異なることをうまく説明する。 フィンランド語で、派生元の動詞が自動詞の とき、被使役者は主語の位置から降格し、まだ埋まっていない 最も高い文法関係である目的語として現れる(例文 2b)。 一方、派生元の動詞が他動詞の場合、被使役者はすでに 埋まっている目的語の位置をとることができず、さらに 降格して、斜格である接格を とって現れるのである(注4) (例文 3b)。

しかし、一方で、この分析は、フィンランド語の使役構文で、 他動詞派生の使役動詞の被使役者項がしばしば表層に現れないこと、 また、なぜ被使役者項が現れにくいかをうまく説明しない。 Comrie の降格のプロセスに 則るならば、被使役者は、主語位置から接格へと降格し、 その後表層から消える、と解釈しなければならない。 しかし、次章でみるように、フィンランド語の他動詞派生の使役構文の場 合、実際には接格の被使役者を含まない例が大多数であり、 このような説明では決して十分ではない。

先行研究で、被使役者項が現れない構造について言及しているものは 少ない。Palmer (1994:221) は、イタリア語の例をあげ、被使役者の 省略可能性が Comrie の Paradigm Case にとって問題となることを 述べている。Wunderlich (1993:740─741) は、フィンランド語を含め、 幾つかの言語が被使役者を「削除」できることを述べているが、 被使役者がない例の方がより一般的なフィンランド語のような 事例を、積極的に扱ってはいない。


3.データと分析

3.1.調査の方法とデータの概略

本発表の基礎資料は、フィンランドの保守的週刊誌Suomen Kuvalehti の1987年度の記事を集めた電子コーパス(以下 sk87 とする)である。 コーパスはヘルシンキ大学一般言語学科の Unix サーバーに 収められており、収録されている単語数はおよそ120万語、ピリオドを単 位として数えるとおよそ11万強の文からなる。

コーパスからの用例の採取に際し、 Kyto"ma"ki (1978) の使役動詞のリスト (注5)を用いた。 リストに収録されている使役動詞ののべ数は366である。 このうち、接辞の重複(注6)を除いた異なり語数は335であり、 その内訳は、以下のようである:

表1: Kyto"ma"ki (1978) の使役動詞のリストの内訳

派生元動詞他動詞自動詞他自どちらでも合計
語数2912717335
(%)(86.9%)(8.1%)(5.1%)(100.1%)

調査では、このリストに挙げられた動詞語幹について、 その可能な活用形をコーパスから検索し、 用例のデータベースを作った。用例検索の結果、 sk87 コーパスからは他動詞、自動詞合わせて150あまりの用例が得られた。 その内訳は以下のようである。

表2: sk87に現れた使役動詞の内訳

派生元動詞他動詞自動詞他自どちらでも合計
のべ語数123246152
(%)(80.4%)(15.7%)(3.9%)(100%)
ことなり語数417452
(%)(78.8%)(13.5%)(7.7%)(100%)

以下では、このうち、他動詞派生の使役構文の 用例 (123例) について、分析をおこなう。まず、 本章の以下の節では使役動詞の動詞毎の出現頻度、 被使役者項の現れる頻度を調査する。次章では 被使役者項を含む用例について、幾つかの角度から 予備的な検討を加え、被使役者項が現れる環境を 描き出すことを試みる。

3.2.動詞毎の出現頻度

まず、個々の動詞の出現頻度をみると、 動詞によって出現頻度にかなりの偏りがみられることが わかる。以下は、sk87 コーパスに現れた他動詞派生の 使役動詞のリストである。

表3: 他動詞派生の使役動詞のリスト

使役動詞「意味」派生元の他動詞f
arvuuttaa「考えさせる」 arvata 1
astuttaa「(〜と)交尾させる」 astua 1
haettaa 「取らせる」 hakea 1
hakkauttaa「切らせる」 hakata 1
harjoituttaa「練習させる」 harjoittaa 2
hinauttaa「どかす」 hinata 1
hoidattaa「世話させる」 hoitaa 2
hyva"ksytta"a" 「受け入れさせる」hyva"ksya"1
kaivattaa「掘る」 kaivaa 1
kastattaa「洗礼をうけさせる」 kastaa 1
kierra"tta"a"「囲ませる」 kierta"a" 1
kirjauttaa「受付させる」 kirjata 1
kirjoituttaa「書かせる」 kirjoittaa 2
korjauttaa「修理させる」 korjata 4
kruunauttaa「載冠させる」 kruunata 1
kutsuttaa 「招待させる」 kutsua 2
「(〜という名で)呼ばせる」 1
kuvauttaa「描かせる」 kuvata 1
kyyditta"a"「人を送らせる」 kyydita" 1
〜 kyytia"
†laadituttaa「作成させる」laatia 1
luettaa「読ませる」 lukea 2
†maksattaa「払わせる」 maksaa 6
mittauttaa「計らせる」mitata 1
murhauttaa「殺させる」 murhata 1
otattaa「取らせる」 ottaa 3
painattaa「刷らせる」painaa3
pesetta"a"「洗わせる」pesta"2
pida"tytta"a"「捕まえさせる」pida"tta"a" 2
puhuttaa「話させる」puhua1
purettaa「壊させる」purra1
rakennuttaa 「建てさせる」 rakentaa 17
selvitytta"a" 「解明させる」 selvitta"a" 1
tapattaa 「殺させる」 tappaa 2
tarkastuttaa 「調べさせる」 tarkastaa 2
†tarkistuttaa 「チェックさせる」 tarkistaa 1
†teetta"a" 「作らせる、 tehda" 42
〜 teeta"tta"a"(仕事等を)させる」 3
tuottaa 「持ってこさせる」 tuoda 1
vaihdattaa 「交換させる」 vaihtaa 1
veda"tta"a" 「引かせる」 veta"a" 2
合計:121

teetta"a"teeta"tta"a" 「作らせる、させる」(45例 (37.2%)), rakennuttaa 「建てさせる」(17例, 14.0%), maksattaa 「支払わせる」(6例) など、使用頻度が最も高い3つの動詞だけで、全用例中の 56.2% を占める。特に teetta"a"teeta"tta"a" の使用頻度の高さが傑出していることがわかる。

3.3.被使役者をあらわす接格名詞句の出現頻度

次に、被使役者をあらわす接格名詞句が、 他動詞派生の使役構文の用例中どれほどの割合で 現れるかを調べた。

接格の使役者が現れたのは、 123 例のうち、わずかに 10例、比率にして 8.1% に過ぎなかった。接格の被使役者項は、 表3で、使役動詞の不定形の前に ダガー(†) をつけた動詞に現れた。 動詞毎の出現頻度をまとめると以下のようになる:

表4: 被使役者が接格で現れる用例の分類

使役動詞 (全出現数)「意味」派生元の動詞合計
laadituttaa (1)「作成させる」laatia1
maksattaa (6)「支払わせる」maksaa3 (50.0%)
tarkistuttaa (1)「調査させる」tarkistaa1
teetta"a" (42)「(仕事等を)させる」tehda"5 (11.9%)
合計10 (全用例中 8.1%)

動詞毎の出現頻度で他から抜きん出ていた teetta"a"「作らせる、させる」が 被使役者を含む用例の半数を占めるが、出現頻度が 比較的高く、全出現例中に占める被使役者を含む例の割合が 多いのは、maksattaa「支払わせる」である。 また、全部で 17 例ある動詞rakennuttaa「建てさせる」 に1つも被使役者項を含む例がないことにも、注意したい。 (動詞の意味の詳しい考察は次節で行う。) (6)に、被使役者項を伴う例を挙げる。


(6)   Kilpailija-t  o-vat   laadi-tu-tta-neet       juriste-i-lla

      選手-nom.pl   be-3pl  作る-caus-caus-pspt.pl  審判-pl-ade

                            使役動詞 (現在完了形)   被使役者=接格

      lausunto-ja,   jo-i-den    mukaan  [...]

      要望書-pl.par  rel-pl-gen  よれば

      「競争相手たちは弁護士に声明文を作らせた。それによれば...」

                                                     (sk87-39:396)

3.4.主語、目的語の分布との比較

上で挙げた接格被使役者の出現頻度を、より客観的に評価する判断材料として、 参考までに、使役者を表す主語、動作の対象を表す目的語が 表層に現れる頻度を以下に示す。 被使役者を表す接格の出現頻度と比べられたい(注7)。

表5: 他動詞派生の使役構文における 主語、目的語、被使役者の接格の出現頻度の比較

他動詞派生の使役構文: 計 123例
定形動詞として (計86例)非定形動詞として (計37例)
主語あり69計71 (82.6%)母胎文の主語に同じ11計26 (70.3%)
動詞屈折のみ2主語あり15
目的語あり85 (98.8%)目的語あり37 (100%)
接格被使役者あり6 (7.0%)接格使役者あり4 (10.8%)
cf. 定形動詞で主語なし = 17例
内訳:
受動文(動詞は受動形) = 12例;
総称文(動詞は3人称単数) = 4例;
文体による省略 = 1例

この表から、例えば使役構文が定形動詞として使われている場合、 使役動詞の使役者主語、および動作の対象を表す目的語 が省略される比率に比して(定形動詞でそれぞれ 17.4%, 1.2%)、被使役者が 現れない割合は 93.0% と圧倒的に高いことが容易にみてとれる。

3.5.まとめ: 使役構文における接格被使役者の位置づけ

他動詞派生の使役構文で、本来ならば出現が 予測される接格被使役者が、実際の用例では 殆んど現れない、というデータをみてきた。 先行研究のように、接格名詞句がある構造を基本とし、 被使役者が現れない構造は基本構造から 接格名詞句が削除されてできたものである、 とする考えは、これまで見てきた接格名詞句の分布を 正確に反映したものとはいえない。

そこで、先行研究とは逆に、被使役者が現れない構造を 使役構文の基本的な構造とみることができる。 この場合、被使役者項は、必要な場合に限って 後から挿入しうる要素と考えることができる。 つまり、何らかの理由で必要なときのみ現れるであると 解釈できる。

このように考えることで、フィンランド語の 使役構文における接格被使役者の分布傾向を、より自然に 捉えることができる。しかし、この立場をとる際には、 被使役者の出現環境を述べる必要がある。


4.検討: 被使役者項の出現環境

この章では、被使役者をあらわす接格名詞句が現れる用例を詳しく検討し、 被使役者をあらわす接格が現れやすい環境、さらには接格を必ず要求する 環境をさぐる。

今回扱うデータには、被使役者をあらわす接格名詞句を伴って現れた 使役構文の例が10例しかなく、これらの用例だけに 基づく一般化には慎重でなければならない。 本発表の以下の考察には、コーパスから得られた データに加え、sk87 コーパス以外の典拠から 集めた使役構文のデータも併用するが、 この節で論じる内容は、より広範な資料による裏付け 調査、さらにはインフォーマント調査による検討が必要だと 思われる。

4.1.接格被使役者と共起する動詞の意味

ここでは、被使役者をあらわす接格名詞句の現れやすさに、 使役動詞のあらわす意味が関係する可能性を論じる。 ここでは、もっとも出現頻度が多かった使役動詞 teetta"a" をとりあげる。 使役動詞teetta"a"「作らせる,させる」は、 その目的語として非常に多様な名詞をとる。そこで目的語名詞 に注目し、目的語として示された名詞が行為にどう 関わるかを調べると、目的語として現れた名詞群を幾つかのグループに 分けることができる。以下のリストは、 teetta"a"の目的語として sk87 コーパスの用例に現れた名詞を、試みに3つのグループに分けて みたものである(注8)。目的語として現れた名詞を単数主格形で示してある。

  1. 「作らせる」: 目的語の指示対象は、行為の結果、新たに作り出されるもの: esite 「パンフレット」; kaluste 「家具」; kenka" 「靴」; kirja 「本」; laki 「法律」; lamppu 「ランプ」; ovi 「戸」; postikortti 「絵はがき」; postimerkki 「切手」; puku 「服」; rakennus 「建物」; suomennos 「フィンランド語訳」; teos 「作品」; tuote 「製品」; video 「ビデオ」; va"line 「道具」

  2. 「させる」: 目的語は、行為の過程でなされるものをあらわす: pa"a"to"s 「決定」; rekonstruktio 「復元」; selvitys 「調査」; tiedustelu 「予備調査」; suunnitelma 「計画」; tutkimus 「研究」; tyo" 「仕事」

  3. 「もたらす」: 目的語の指示対象は、主語の存在によって、 必然的にもたらされる: pa"iva" 「一日」; tyo" 「仕事」; vallankumous 「革命」

この分類をもとに、被使役者をあらわす接格名詞句を含む teetta"a"の5つの用例をみると、 接格名詞句が現れているのは、動詞が「させる」と 解釈できる場合のみで あることがわかる。(例文(7)では動詞はtutkimus 「研究」を主要部とする名詞句のみを用例から抜き出した。)


(7)   nelja"-n  suur-imma-n     puoluee-n  Suome-n 

      4-gen     大きい-sup-gen  政党-gen   フィンランド-gen 

      gallupi-lla     yhteisesti  tee-tta"-ma",  

      国勢調査委-ade  いっしょに  する-caus-MApt.nom 

      vastavalmistunut      tutkimus.

      出来上がったばかりの  研究.nom



      「4大政党がフィンランド国勢調査委にさせた、

        できたての研究」(sk87-22:194)



(8)   tyo"=ryhma",     joka     on      tee-tta"-nyt 

      ワーク=グループ  rel.nom  be.3sg  する-caus-pspt.nom

      ka"yta"nno"-n  tyo"-t       Etla-n  tutkijo-i-lla.

      実際-gen       仕事-akk.pl  E.-gen  研究者-pl.ade



      「実際的な仕事は Etla の研究者にさせている

        研究チーム」(sk-35:569)

これに対し、「作らせる」の意では 接格の被使役者が現れる用 例はコーパスからは見つからない。以下は、接格被使役者のあらわれてい ない例:


(9)   Tietenkin  kustantaja  sittemmin  tee-tt-i

      もちろん   出版者.nom  その後     作る-caus-imp.3sg

      uu-den      suomennokse-n.

      新しい-akk  フィンランド語訳-akk



      「もちろん出版者はその後新しい訳を作らせた」(sk-35:1677) 

また、「もたらす」のような派生的な意味をもつ と解釈される例の場合は、使役動詞としての性質が弱く、 接格が現れることはない。


(10)  Euroopa-n       talous=yhteiso"-n  kehitys=prosessi

      ヨーロッパ-gen  経済=共同体-gen    発達=プロセス.nom

      teetta"-a"    yha"    enemma"n  to"-i-ta"    

      もたらす-3sg  さらに  たくさん  仕事-pl-par

      suomalais-i-lle        viranomais-i-lle  [...]

      フィンランドの-pl-all  当局-pl-all



      「ヨーロッパの経済共同体の発達プロセスは、

        フィンランド政府の仕事を増やすばかりである

       (lit. さらに多くの仕事をもたらしている)」(sk87-15:238)

このように、行為によって、その結果何かを新しくつくる、という意味の行為を 含む場合(意味 1.)、使役動詞 teetta"a" は接格名詞を被使役者としてとりにくくなるようである。 これに対し、teetta"a"が 行為の過程に主眼をおく場合(意味 2.)、 被使役者は現れやすくなる傾向が あるようである(注9)。

すでに述べたように、使役動詞は、出現頻度に関し動詞毎に かなりのばらつきがあるうえ、動詞の出現頻度が比較的 高くても、その動詞が被使役者をあらわす接格名詞句を 伴ってあらわれるとは限らない。例えば、sk87 コーパスに 現れている17の使役動詞rakennuttaa 「建てさせる」の用例のうち、被使役者をあらわす名詞句を 伴う例は1例もない。また一方で、maksattaa 「支払わせる」は、6例中3例で被使役者項が共起している。 このことは、もちろん、動詞によって被使役者項が現れやすいものとそうでないものが あることを示している。しかし、上で teetta"a"「作らせる、 させる」を例に述べたような被使役者をあらわす接格名詞句と 動詞の意味との関係が、ほかの使役動詞の分析にも応用できる かどうかは今後確かめる必要がある。

4.2.使役構文の前の文脈が接格の被使役者項を要求する場合

接格被使役者が現れている構文の前の文脈を観察すると、 文脈により被使役者をあらわす接格名詞句を省略できない場合 があることがわかる。 以下の例では、被使役者を含む節が直前の文と等位接続関係にある。


(11)   On      sellais-i-a-kin      tyo"nantaj-i-a, 

       be.3sg  そのような-pl-par-"amp;  雇い主-pl-par

       jotka otta-vat luvattom-i-a maahan=muuttaj-i-a

       rel.nom.pl  とる-3pl  違法な-pl-par  入国者-pl-pari

       palvelukse-e-nsa,  tee-tta"-va"t  he-i-lla" / *φ

       サービス-ill-px3   する-caus-3pl  彼-pl-adei / (被使役者なし)

       to"-i-ta",   mutta   heitta"-va"t  hei-da"t    ulos

       仕事-pl-par  しかし  捨てる-3pl    彼-akk.pli  外に

       kun   palkan=maksu-n     aika    tule-e.  

       when  給料の=支払い-gen  時.nom  来る-3sg



       「不法入国者を雇い、彼らに / *φ 仕事をやらせておいて、

         給料の支払いの時になると放り出すような雇用主もいる」 

                                                (sk87-26:1329) 

この例では、被使役者をあらわす接格の人称代名詞は、直前の、等位接続 された節の目的語「不法入国者」を指示している。この場合、 同一指示関係を示すためには接格名詞句が必須であり、接格を省略すると 文は非常に不自然になる。この例から、被使役者の指示する対象が、すで に前の文脈で言及されている場合は、被使役者項は必ず表層に現れなければな らない。

さらに、この等位接続の例ほど直前の文脈とのむすびつきが 強くない場合でも、接格名詞句を削除しにくい場合がある。


(12)  Ensimma"ise-lla" kerra-lla  pysty-i-mme     purista-ma-an

      第1-ade         回-ade     できる-imp-1pl  押さえる-3inf-ill

      kustannukse-t  vain  kymmenykse-en  siita",   mi-ta"

      費用-akk.pli   ただ  10分の1-ill    それ.ela  何-par

      ne           ol-isi-vat   ol-leet,    jos   ol-isi-mme

      それら.nomi  be-kond-3pl  be-pspt.pl  もし  be-kond.1pl

      tee-tta"-neet      tyo"-n    jo-lla-in  kansainva"lise-lla"

      する-caus-pspt.pl  仕事-akk  何か.ade   国際的な-ade

      markkina=tutkimus=organisaatio-lla  /   ?φ .

      市場=    調査=    組織-ade          / (被使役者なし)



      「第一回目にして、我々は、国際的な市場調査組織に / ?φ

        その仕事をさせた場合にかかるであろう値段の10分の1に

        費用を抑えることができた」(sk87-21:1197)

この例では、上で示した例文の直前に、話し手のプロジェクトが おこなった試みが紹介され、例文中の使役構文の 被使役者項である「何らかの国際的な市場調査組織」 はこのプロジェクトと対比されている。この場合も、 例文の接格名詞句を省略すると、かなり不自然で舌足らずな文ができてしまう。 従って、被使役者が前の文脈にある異なる行為者と対比される場合、 被使役者は新しい情報として、表層に現れていなければならない。

同様に、以下の 3例の maksattaa「支払わせる」では、 実際に支払う人は、文脈から考えて、払うことを予想される人とは異なる人 である。このような場合にも、接格名詞句は、実際に払うことになる 人物を、明示的に示さなければならない。


(13)  Mutta   epa"reilu-a  on      maksa-tta-a

      しかし  ずるい-par   be.3sg  支払う-caus-1inf

      lasku     koko  nuoriso-lla.

      代償.akk  全    若者たち-ade 



     「でも、若者全部にそのツケを払わせるのは、いけない」

       (sk87-29:197) 



(14)  Mika"   on      se        raha-a    tursua-v-ien

      何.nom  be.3sg  それ.nom  お金-par  まき散らす-prpt-gen.pl

      pankki-en    ``kustannus=vastaavuus'',  jo-ta

      銀行-gen.pl 「費用=相当」               rel-par

      ne          aiko-vat          tili=asiakka-i-lla-an

      それら.nom  つもりである-3pl  口座=顧客-pl-ade-px3

      maksa-tta-a ?

      払う-caus-1inf



      「金を垂れ流している銀行が、自分達の顧客に払わせようと

        している「費用負担」とは、何なのか?」(sk87-49:1831) 



(15)  Pieni       ja   varakas     va"hemmisto"  voi

      小さい.nom  and  裕福な.nom  少数派.nom    できる.3sg

      jatka-a     [...]  asu-mis-ta     ja   maksa-tta-a

      続ける-1inf        住む-こと-par  and  払う-caus-1inf

      korjaus=kulu-t     mu-i-lla.

       修理=費用.nom.pl  他人-pl-ade 



     「[ベネチアで歴史的に価値のある家に住んでいる]裕福な

       少数の人たちは、住居に住み続けながら、家の修理費を

       他人に払わすことができる」(sk87-02:2163)

はじめの例では、悪さをしている若者たちではなく、若者全体に代償を払 わせる点で、予測と異なる被使役者があらわれている。同様に2番目の 例では銀行が、自分達の出した損を自分でなく客に払わせる、という点で、 3番目は自分の住む家の修理費を自分でなく他人に払わせる、という点で、 それぞれ明示しなければわからない情報を被使役者がもっているわけである。

このように、使役構文が使われている直前の 文脈は、しばしば、被使役者が表層に現れることを 要求する。

これまで見てきた、文脈で被使役者をあらわす名詞句が省略不可能な例文を 除くと、10例の被使役者項を含む用例中、大きく文脈を 損なうことなく被使役者項が削除可能と 思われるのは5例だけである。うち、2例はすでに (7) と (8) として 挙げてある。以下に、残りの3例をしめす。


(16)  Myo"ha"ise-mpi  tarkist-utta-minen     suurkaupungi-n

      遅い-comp.nom   調べる-caus-minen.nom  大都会-gen

      asiantuntija-lla  osoitt-i, etta" [...] 

      専門家-ade  示す-imp.3sg  that 



     「のちに都会の専門家に調べさせたところ、分かったのは...」

       (sk87-41:1616)



(17)  Suome-n           Suora-markkinointi-liitto  tee-tt-i

      フィンランド-gen  直接=販売=組合             する-caus-imp.3sg

      vuon-na  1985  Gallupi-lla       tutkimukse-n

      [``]  Postimyynti  osto=tapa-na [''] . 

      年-ess   1985  国勢調査団体-ade  調査-akk

            通信販売.nom   購買=手段-ess 



      「フィンランド直売組合は1985年、国勢調査団体に

        『購買手段としての通信販売』と称する調査を行

        わせた」(sk87-04:1354)



(18)  Yhdysvalta-in  hallitukse-n  pita"-isi

      合衆国-gen.pl  政府-gen      ねばならない-kond.3sg

      tee-tta"-a"     lainsa"a"ta"j-i-lla"  selva"

      する-caus-1inf  立法者-pl-ade         はっきりした.nom

      pa"a"to"s  siita", [...] 

      決定.nom   it.ela  



      「合衆国政府は、...について、議会議員たちにはっきり

        とした結論を出させなければならないだろう」(sk87-31:630)

被使役者項が随意的に省略可能な例は、従って、 他動詞派生の使役構文の用例中5例だけ、出現率にして わずか 4.1% を占めるに過ぎない。

では、使役構文の後の文脈で、被使役者はどのくらい頻繁に 言及されるのであろうか。 人称代名詞の接格が現れている例(11)を 除くと、被使役者をあらわす9例の接格名詞句の指示対象は全て、 被使役者として文脈上にはじめて現れる。ところが、接格名詞句の指示対象は、 直後の文脈でふたたび言及されることは殆んどない。 従って、他動詞派生の使役構文の被使役者は、それが たとえ表層に現れていたとしても、談話のなかでの 重要度は極めて低いことになる。


5.まとめ

コーパスの用例データから、 被使役者をあらわす接格名詞句は、 使役構文の用例の中でほんの一部の例(全用例中の 8.1%)で しか確認されないことが確かめられた。

さらに、被使役者をあらわす名詞句の 出現環境を検証し、同一指示、被使役者の対比、 さらには文脈から予測される被使役者と異なる ことを示す、といった、 被使役者をあらわす接格名詞句を 示さなければならない条件を指摘した。 被使役者をあらわす接格名詞句が あらわれている用例の幾つかは、 このような文脈などの構文の外の条件に よって説明することができる。 このことは、フィンランド語の 使役構文は被使役者を伴わない構造がより基本的であり、 特に必要な場合にのみ被使役者をあらわす 接格が挿入される、という 解釈を補強する事実であると思われる。

また、使役動詞の意味により、被使役者を あらわす接格名詞句の出やすさに差があることも、 不完全ながら示した。


参考文献


補遺: 被使役者項の挿入による解釈のもう一つの証拠?

インフォーマントによれば、 あまり頻繁に用いない使役動詞の場合、 被使役者が接格で現れると不自然と感じられる 場合があるらしい。次の例は、他動詞laka-ta 「(〜に)ラッカーを塗る」 から派生した使役動詞lakkau-tta-a 「(〜に)ラッカーを塗らせる」 を使い、被使役者をあらわす接格名詞句を加えた作例である:


(19)  ?Isa"    lakka-utt-i                  seina"-n  naapuri-lla .

       父.nom  ラッカーを塗る-caus-imp.3sg  壁-gen    近所-ade 



      ?「父は近所の人に壁を塗らせた(塗ってもらった)」

このような例の存在は、使役構文の 基本構造として、被使役者がないものをたてる 良い証拠となると思われる(注10)。

また、これに近い現象として、派生元の動詞自体が 比較的複雑な項をとるとき、インフォーマントによっては接格形の 被使役者を伴う使役構文は非常に分かりづらくなると 感じるらしい。例えば、以下の sk87 コーパスから得た例文は、 動詞tuo-da「もってくる」から派生された使役動詞 tuo-tta-a「もってこさせる」を含んでいる。


(20) a.  Ta"-na"   vuon-na  amerikkalaise-t   olut=panimo-t

         この-ess  年-ess   アメリカの-nompl  ビール=醸造所-nom.pl

         ei-va"t   ena"a"  halua   tuo-tta-a

         Vneg-3pl  もう    したい  持ち込む-caus-1inf

         maa-han  saksalais-ta  humala-a,  koska    [...] 

         陸-ill   ドイツの-par  酵母-par   なぜなら 



         「今年、アメリカのビール製造元は、ドイツの酵母を

           輸入したいとはもう思っていない」 (sk87-01:315)

tuottaaは、持ち込み先を方向格で、 持ち込むものを目的語に とる。上の例では、目的語である酵母の持ち込み先は入格であらわされ ている(maa-han (陸-ill) 「陸へ」, cf. tuo-da maa-han = 「輸入する」)。この文に 被使役者をあらわす接格名詞句を加えて以下のような文を作ると、 インフォーマントには文があまりにも複雑すぎ、すぐには 理解できないと感じられるという。


(20) b.  ?Nyt  amerikkalaise-t   olut=panimo-t

          今   アメリカの-nompl  ビール=醸造所-nom.pl

         ei-va"t   ena"a"  halua   tuo-tta-a

         Vneg-3pl  もう    したい  持ち込む-caus-1inf

         maa-han  saksalais-ta  humala-a  saksalais-i-lla .

         陸-ill   ドイツの-par  酵母-par  ドイツ人-pl-ade



         ?「今や、アメリカのビール製造元は、ドイツ人に

            (ドイツ人をつかって)ドイツの酵母を輸入させ

            たいとはもはや思っていない」


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