社会を構成する基層は、人口と家族であるという認識に立ち、近代化、都市化、国際化によって変容する以前のユーラシア社会を比較検討しようとするのが、本研究の目的である。
具体的には、近代国勢調査以前に作成された家族・世帯、人口を知りうる資料を、最新の人口学、家族社会学の手法を用い、コンピュータを駆使して大量に利用・分析し、すぐれた資料を有する日本、中国、イタリア、ベルギー、スウェーデン各国を中心とし、これに韓国、インド、オットマン帝国、フランスを加え、国際共同研究(国際プロジェクト)を行う。 一方、日本国内(国内プロジェクト)については、各地に残存する資料の発掘調査を行い、マイクロフィルム撮影を行い、収集に努め、一定のフォーマットに基づいてコンピュータにデータを入力し、最終的にはデータベース構築を行う。従来人口と家族の研究は、関連なく行われてきたが、この研究では人間社会の基底を為すこの二つの局面を同時的に把握できる資料を用い、その構造と変動を統一的に検討することを目指している。 このプロジェクトのに対しては、文部省科学研究費(創成的基礎研究)の助成が行われており、研究拠点は京都にある国際日本文化研究センター速水プロジェクト室に置かれている。また、東京・新宿にある麗沢大学東京研究センターでもプロジェクトの一部が行われている。 |
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