Unicode-based IPA String Editor Version 1.0 について 千葉 庄寿 (ちば しょうじゅ, CHIBA Shoju) 麗澤大学外国語学部 (College of Foreign Languages, Reitaku University) e-mail: schiba@reitaku-u.ac.jp Note: This file is encoded with UTF-8. このファイルは UTF-8 でエンコ ードされています。 =======目次======  ・この文書の更新履歴  ・概要  ・History  ・開発・動作環境  ・インストール方法  ・アンインストール方法  ・最新情報の入手  ・現バージョンでの動作制限と今後の開発予定  ・利用上の注意  ・謝辞 ======= 【この文書の更新履歴】 2003/03/03 初版作成 (2003/03/04 更新) 【概要】 Unicode-based IPA String Editor (以後 IPA String Editor と略記すること があります) は,IPA (International Phonetic Alphabet) を含む Unicode テキストを作成する際に,IPA のテキストの入力を補助するソフトキーボード です。 このアプリケーションを使って,International Phonetic Assiciation (1999) Handbook of the International Phonetic Association: A Guide to the Use of International Phonetic Alphabet. Cambridge: Cambridge University Press (以下 Handbook と略記) で示されている IPA 記号 (全 228 種類) のう ち,The International Phonetic Alphabet (revised to 1993, updated 1996, Handbook p.163) で示されている IPA 記号 (173種類) について,Unicode で 表現できる 167 種類の記号を入力できます。 記号は Handbook の一覧表を模した 5 つのカテゴリーに整理されており,各カ テゴリーの IPA 記号が表示されたボタンを押すと IPA String Editor のテキ スト入力欄に順次記号が入力される仕組みになっています。できあがったテキ ストをコピーすることにより,Unicode 対応アプリケーションにテキストを貼 り付けることができます (ワープロソフトなどであればフォント情報 (フォン ト名,サイズ [ポイント]) つきで貼り付けることができます)。使用するフォ ントは自由に選ぶことができます (ただし SIL Encore IPA Font のような非 Unicode フォントは利用できません)。 また,数文字参照形式でコピーすることもできます (数文字参照 Numeric Character Reference とは,Unicode のコード値を使い,各文字を  &# + Unicode コード値 + ; (10進数の場合)  &#x + Unicode コード値 + ; (16進数の場合) という形式で表現する方式のことです。Unicode に対応していないアプリケー ションで利用する際に便利です。IPA String Editor の出力は10進数の形式に なります)。 【History】 2003/03/03 バージョン 1.0 公開 【開発・動作環境】 IPA String Editor は Microsoft Visual C# .NET で開発 し,Windows2000 Professional Service Pack3 (CPU Pentium III 600Mhz, Memory 398MB), および Windows XP Professional Edition Service Pack 1 (CPU 1.0GHz, Memory 768MB) 上で動作を確認しています。 IPA String Editor の実行には Microsoft .NET Framework 1.0 の実行環境が必要です。.NET Framework は Windows 98, ME, NT, 2000, XP (Home & Professional) の各バージョンで利用できますが,Windows 95 お よびそれ以前のバージョンでは利用できません。.NET Framework のインストー ルファイルは,以下の URI から無償でダウンロードできます: 日本語: http://www.microsoft.com/japan/msdn/netframework/prodinfo/getdotnet.asp 英語: http://msdn.microsoft.com/netframework/downloads/howtoget.asp (上記 URI には実費で CD-ROM を入手するための情報もあります。)「.NET Framework 再頒布パッケージ」(ファイル名 dotnetredist.exe, 20.4MB) をダウンロードして実行すると.NET Framework をインストールするためのプ ログラムファイル dotnetfx.exe が生成されますので,dotnetfx.exe をダブ ルクリックしてインストールしてください。 なお,.NET Framework 1.0 の不具合やセキュリティーの更新をおこなう Service Pack 2 (5.9MB) がリリースされていますので,.NET Framework のインストール後にイ ンストールしておくことをおすすめします。以下の URI からダウンロードで きます: 日本語: http://www.microsoft.com/japan/msdn/netframework/downloads/sp2/download.asp 英語: http://msdn.microsoft.com/netframework/downloads/updates/sp/default.asp .NET Framework の Service Pack は,Microsoft が提供しているオンライン サービス Windows Update (URI: http://windowsupdate. microsoft.com/) を 使ってもインストールできます。 【重要】Windows 98, ME では動作を確認していません。IPA String Editor は多数の特殊な Unicode 文字を表示・処理するアプリケーションですので, Unicode の処理方式の異なる Windows 98 および Windows ME では,表示その 他挙動がおかしくなる可能性があります。 【インストール方法】 1. Microsoft .NET Framework をインストールします (【動作環境】を参照して ください)。 2. 自己解凍式のZIPアーカイブ IPAedit.exe をダウンロードします。 3. アーカイブをダブルクリックし,解凍先のフォルダを指定します。 4. 解凍が完了すると,解凍先のフォルダに3種類のファイルが置かれます。 IPAStringEditor.exe ...実行ファイル IPAStringEditor.txt ...このファイル (日本語) readme.txt ... 簡単なレジュメ (英語) IPAStringEditor.exe をダブルクリックするとアプリケーションが起動します。 【アンインストール方法】 レジストリは使用しておりませんので,実行ファイル IPAStringEditor.exe を削 除するだけでアンインストールが完了します。 【最新情報の入手】 IPA String Editor の最新情報および最新の実行ファイルを含む自己解凍式 ファイルは http://www.fl.reitaku-u.ac.jp/~schiba/tools/ で入手できます。 【現バージョンでの動作制限と今後の開発予定】 ・IPA String Editor の起動時の標準的なフォントは Lucida Sans Unicode MS  です。Lucida Sans Unicode は Windows に搭載されているフォントのなか  でも,IPA 記号を最も網羅的に収録しているフォントです (ただし,  漢字を含むアジア圏の文字は含まれません)。しかし,Windows 2000 および  XP に搭載されている Lucida Sans Unicode MS (バージョン 2.0, 317 KB)  には,以下の収録漏れがあります:    Top tie bar: IPA No. 433, Unicodeコード値 0x0361  この記号は2つの記号にまたがって表示され,破擦音または二重調音を表し  ます。現バージョンでは,この文字を出力する場合には,より収録文字数の  多い Arial Unicode MS に自動的に置き換える措置をとっています。 ・上記の例外を除き,選択されているフォントにない文字を入力すると,表示  不可能であることを示す白い四角 (いわゆる「トーフ」) が挿入されます。  入力後でも,その文字を表示可能なフォントを再度選択すれば,当該の文字  を含め正しく表示されます。 ・一部の文字だけフォントを変えることはできません。 ・[Get NCR] ボタンを押してコピーできる数文字参照形式のテキストは,各文  字のコード値を10進数で表したものです。16進数で表記したものは出力でき  ません。 ・テキスト入力欄には,Microsoft .NET Framework の RichTextBox と呼ばれ  る書式設定可能なテキストボックスを利用しています。そのため,ボタンに  よる入力と共に,入力された文字,ないしその文字以降に入力した文字の  フォントが自動的に他のフォントに変わってしまうバグが見られます。自  動的に元に戻すようプログラムを工夫してありますが,現バージョンでもバ  グはまだつぶしきれていません (Suprasegmentals カテゴリーに属する記号  のいくつかを入力する際に起こることがわかっています)。現バージョンでは,  そのような場合,フォントが (選択しているフォントにかかわらず) Arial  Unicode MS として出力されます。フォント情報つきでテキストをコピーす  る場合には,他のアプリケーションに貼り付け後,フォントを再度選択しな  おすなど工夫する必要があります。 ・各ボタン上に表示される IPA 記号は原則として Lucida Sans Unicode MS  で表示されます。ただし,Consonants & Other symbols および Suprasegmentals  のそれぞれ一部,また Diacritics カテゴリーの各記号は Arial Unicode MS  で表示されています。そのため,ボタン上の記号と入力結果が若干異なるこ  とがあります。 ・現バージョンでは,IPA 番号をもつ記号のうち,Handbook で Withdrawn,  Superseded, Not IPA Usage, および他の IPA 記号を使うよう指示されてい  る記号を入力することはできません。これは,インターフェースとして IPA  の一覧表に基づくカテゴリー分けを使っているためで,入力方法について,  今後の開発のなかで検討していきたいと思います。 【利用上の注意】 Unicode-based IPA String Editor はフリーソフトです。このソフトウエア の再配布は自由に行ってかまいませんが,その際は実行ファイルとともに, 同包されているファイル (IPAStringEditor.txt [このファイル] を含む) を一緒に 配布してください。なお,最新のバージョンをホームページ  URI: http://www.fl.reitaku-u.ac.jp/~schiba/tools/ からダウンロードして利用することをおすすめします。 ソフトウエアの著作権は千葉庄寿 (ちばしょうじゅ) にあります。ソフトウエ アの不具合や,このドキュメントの間違いなどを発見されましたら,制作者 千葉 (e-mail: schiba@reitaku-u.ac.jp) までお知らせいただけると幸いです。 なお,Unicode-based IPA String Editor を利用したことにより発生した損 害への責任は一切負いかねますのでご了承ください。 【謝辞】 このソフトウエア (Unicode-based IPA String Editor Version 1.0) は文部 省科学研究費補助金 特定領域研究(A) 「環太平洋の『消滅に瀕した言語』に かんする緊急調査研究」 計画研究「情報処理による調査研究支援」 (課題番 号 12039213; 研究代表者 松村一登 (東京大学大学院人文社会系研究科)) の 研究成果の一環として開発されました。記して感謝いたします。