フィンランド語の第3不定詞入格 (3InfIll) が他動詞を主動詞として現れる構文 (AC) について、(1) 主動詞の目的語 (Obj) の有生性、(2) 共起しうる 3InfIll の種類という 2つのパラメータを用いて主動詞を3種類に分類し、AC の用法を 体系的に記述することを試みた。
先行研究では、Obj が有生の場合の AC がもっぱら注目されている。 しかし、実際には3割の用例に無生の Obj が現れる。 さらに、有生の Obj をとりにくい主動詞 (タイプC) が AC をとって現れる場合、不定詞の前置が可能になる一方、Obj の指示対象自身に変化をもたらすような行為を表す動詞は 3InfIll としてとることができないことが、 用例の検証からわかった。
発表ではさらに、3種類の動詞タイプの比較をもとに、タイプCのような他動詞から、 AC にあって動詞の語彙的な意味が希薄になっている主動詞 (タイプB) への、 文法化の流れの中に AC をとる各動詞を位置付けられることを論じた。