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フィンランド語の派生動詞を用いた使役構文の機能

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千葉 庄寿 (ちば しょうじゅ)
日本言語学会第117回大会 (1998) 研究発表要旨

フィンランド語の他動詞派生使役動詞を用いる使役構文(MC)について、 被使役者を表す名詞句(Ce)の統語的な位置付けを検討した。 MCでは、Ceは斜格の名詞句(接格)として現れる。発表では、 Ceが文法格をとる分析的使役構文(AC)を比較対象に、Ceの現れ方を調査し、 以下の2点を指摘した:

  1. MCはACに比べCeを表層に表さない傾向が強い;
  2. Ceが現れない場合、MCのCeは常に不定である。
    一方、CeのないACでは、用例の半数以上でCeにあたる対象の特定が可能である。

2点は共にMCのCeが随意的な要素であることを示している。 従来の類型論では、Ceは使役構文の項であり、使役構文では 元の文に比べ動詞の項が1つ増加すると捉えられてきた。 この解釈は、少なくともフィンランド語のMCには妥当ではない。 フィンランド語の事例は、使役のマーキングと項の増加のプロセス とは分けて考えたほうがよいことを示唆する。

(同一内容の要旨が『言語研究』に掲載される予定です。)

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