中国の木偶戯
中国では、木偶(でく・人形)をあやつって各種の物語りを演じる劇を古代には「傀儡戯」[資料1・2・3]参照)と称した。木偶そのものは、殷代(BC17世紀〜BC11世紀)の奴隷殉葬の習俗・陶俑にまで遡ることができるでき、春秋戦国時代(BC770〜BC221)には、死者の娯楽のために大量の木俑が埋葬されていたことが確認されている。文献の記載によると、漢の霊帝年間(AD168〜189)に「時京師賓婚嘉会,皆作魁」(後漢書・五行志)とあり、「魁」イコール「傀儡」で、戯劇的要素を含む木偶戯がすでに行なわれたとする説も一部あるが、北斉(AD550〜577)時代以降に形成され、唐代宋代に大いに発展したと考えるのが一般的である。現在では、木偶の大きさやあやつる方法の違いから「布袋木偶戯」「提線木偶戯」「杖頭木偶戯」「鉄線木偶戯」の4種類に分けられる。

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参考文献



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布袋木偶戯(手指遣い人形劇)
布袋木偶戯は、構造が単純であやつりやすく、携帯にも便利なことから広く普及していて、北方では「扁担戯」、四川省では「被単戯」、湖南省では「扁担戯」といい、「掌中木偶戯」とも称される。人形は、高さ約1尺で、頭はクスノキ(樟木)を材料とし、頭部の内側に眼・口・舌などを動かす仕掛けが設けられている。体躯は、手の平全体を入れる袋に似ていて、人差し指を頚の部分にさし入れ、中指・親指を人形の左右の袖に入れてあやつる。福建省の州・泉州のものが美術工芸品としては最も著名である。『画像へ』
提線木偶戯(糸あやつり人形劇)
提線木偶戯は「線偶戯」「嘉禮戯」「懸絲傀儡戯」とも称され、頭・籠腹・四肢・提線と勾牌(提線板)からなっている。人形の大きさは約2尺である。頭部はクスノキあるいは木目の細かいトドマツ(椴木)・柳木を材料として成形され、内部には提線を通して眼・鼻・口の動きをコントロールする仕掛けが設けられている。籠腹は胸部と臀部の二つの部分に分けられ、竹ひごで編まれ、四肢とは木偶手」と、杯や扇・傘などを手にする「文手」とに分かれる。足は、裸足・靴脚・旦脚の3種類である。提線は黒色あるいは藍色の糸で、上端は勾牌とつながり、下端は人形の関節の部分に固定されていて、伝統的な長さは約3尺である。著名な福建省泉州木偶劇団は、舞台の広さと高さの関係から6尺以上にも達している。また、提線の数量は人形の動作によって増減するが、基本的には頭部に2本、胸の前後に各1本、両手に10本、両足に各1本の16本である。しかし、台湾・宜蘭のものは12本、陝西省・合陽のものは5本である。『画像へ』
杖頭木偶戯(棒遣い人形劇)
杖頭木偶は中国で比較的広範に分布し、内蒙古から海南島、江蘇・浙江省から四川・陝西省まで至る所にみられる。河北省呉橋の「扁担戯」では約8寸の小さな杖頭木偶を用い、四川省南充儀隴の大きなものは4尺5寸にも達し、ほぼ人間の大きさに近い。四川省内にだけは、「大木偶」「二木偶」「京(精)木偶」の3種類の大きさの杖頭木偶がある。杖頭木偶は演じ手が木偶の頭部とつながる「命桿」と、木偶の手の部分とつながる「手桿」をあやつる。『画像へ』
●江蘇省泰興県
●広東省木偶劇団
鉄枝木偶戯
鉄枝木偶は「鉄線木偶」とも称され、広東省東部・福建省西部一帯に流伝し、「皮影戯」から発展したものである。そのため、木偶の構造・あやつり方法には皮影戯の痕跡が残り、潮州・汕頭などの地では「紙影戯」とも称されている。木偶は高さが1尺〜1尺5寸、彩色された泥塑の頭、桐の木に刻まれた胴体、紙で作られた両手、木に刻まれた両足と金属の操縦桿から出来ている。操縦桿は俗に「鉄枝」と称し、鉄線と竹の柄から出来ていて、長さは約1尺で、木偶の背につながり方向を回転するのに使用する「主桿」1本と、両手につながる「側桿」2本とに分かれる。『画像へ』
注)一部中国語表記の為、文字を画像として表示してありますので読み難くなっておりますが御了承下さい。


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